昔は手渡しが普通でしたので、色々とありました

今はともかくちょっと前までは、給料は手渡しの会社の方が多かったです。正社員は勿論、バイトやパートは手渡しが当然でしたし、1日のみの肉体労働(工事とか)は手渡し給料が当然でした。

手渡しの給料と言うのは当たり前のことですが、人間が手で作って用意するものなので、小さな間違いは日常茶飯事でした。明細と中身が違っていたりすることもありましたし、中身が多かったり少なかったりすることも、特に新札は気が付いてみると1枚のはずが2枚入っていたこともありました。一応正直に申告しましたが、あれは大変な作業でした。

と言いますのも、実際給料袋にお金と明細を合わせつつ、人数分作った経験があるからです。レストランの現場でパートとして働いていたのですが、事務所の人数が足りなくなったと言うことで、応援に駆り出されたのです。そして何故か応援のはずがそのまま、事務所に移動になったのです。大きなレストランではありませんでしたので、事務所の人数も社長以外は私ともう一人ベテランの事務員さんだけでした。社長は戦力外でしたので、事務員さんと2人で事務をやっていたのですが、それでなくても帳簿やら何やら忙しい事務員さんでしたので、細かい作業は私がやると言うように何となく決まっていったのです。

そして事務所に移動になってから最初の給料日前、明細は事務員さんが作ってくれたのですが、袋詰めを任されました。新人にいいのかなあと思ったのですが、後でチェックはするので大丈夫と言われて作業開始しました。余談ながら、自分の給料を詰めると言うのは何気に、気恥ずかしい気がしたものです。全員分の金額の入った金庫と、各人の明細書と名前の印刷された袋を渡されて、気を付けつつ作業したのですが一番問題なのが細かいお金でした。紙幣は先にちょっと書きましたが、新札だった場合に要注意でしたが1円単位の貨幣は本当に厄介でした。税金などの天引きのおかげで、この細かい金額が出てしまうのでどうしようもないのですが、これが1円でも詰め間違えると最後に合わなくなって全部チェックしなおしと言うことになるのです。

つまりお金は全員分丁度を用意してあるし、袋も勿論全員分なのできちんと詰めれば1円も残らず、もしくは足りなくもならないはずなんですね。がしかし、中々とう理想通りにはいかないもので、最後の一人の袋にお金を入れようとしたら見事に足りなかった、もしくは余ってしまったと言うことがどうしてもあるわけです。こうなったらもう、残業云々は言っていられず最初の一人の分から全部見直しと言うことになるわけです。正直な話、この見直しのほうがきつかったです、袋の口はまだ閉めてはいなかったわけですが、それでも口を開けなおして全部チェックするので、眼も疲れるし指先も疲れてくると袋の端っこで切ってしまったりもしました。

この経験があってから、他のバイトなどで手渡し給料もらう時に、入れてくれた人に感謝するようになりましたね。多少の間違いがあっても報告する時に、きつい口調ではなくて「申し訳ないけど」と言った切り口で話し出すようになりました。入っていたお金は確かに予定されていた金額だったのに、何故か同封の明細が別の人のだったりとか、そんなこともありました。

お金が本当にお金として入っていたと言う感じですね、振り込みだとお金と言うより数字が移動してる感じがしますが、手渡し給料と言うのは計算する人袋詰めする人の手と面倒な作業を通して、しっかりと渡されると言うことで重みが増す感じです。私としては振り込みより断然こちらの方が好きなのですが、あの苦労を思うと今の時代特に大会社などでは、不可能に近いやり方ではあると思います。でもまあ、昭和の時代など、大企業でも手渡し給料だったわけですからそれを考えると、今でもありかなとも思うのです。手にお金がしっかり渡されると言うのは、それだけでかなり1か月の苦労が報われる気分がするものですから。